グローバル物質フロー分析とモンテカルロシミュレーションに基づくネオジムのトレーサビリティ評価の方法論的研究

概要

ネオジムは希土類元素(REE)の中で特に重要な鉱物であり、多くのモーターや電子機器のNdFeB磁石に使用されています。近年、ネオジムの需要が急増していることから、ネオジムの世界的な流れと在庫を評価し、そのリサイクルの可能性を分析するために、物質流動分析(SFA)研究が行われています。ただし、REEなどの鉱物資源の違法な採掘、未知の取引、および寿命末期(EOL)に基づくリサイクルは、公開されているデータのみを使用して定量的に評価することはできません。これらの活動に関わる実際の量は、中国、ロシア、インドなどの国々の政治や生産経済に大きく影響されます。そのため、近年、トレーサビリティを明確にするために、欧州を中心としたさまざまな取り組みが検討されています。

したがって、この研究は、世界のサプライチェーンにおけるネオジムの違法採掘、未知の取引、およびEOLベースのリサイクルの量を明らかにするためのSFAの新しい方法を提案することを目的としています。その結果、中国のNdFeB磁石に使用されているネオジムの16〜26%に、生産地域や取引量が不明な量が含まれていることがわかりました。

さらに、希土類鉱床に含まれるNd2O3の量を含む、いくつかの変数の最小範囲から最大範囲を考慮したモンテカルロシミュレーションを使用して不確実性分析を実施しました。この分析から、xEV、従来の自動車、および電動自転車の結果の不確実性は、他の最終的なアプリケーションの結果と比較して低いように見えます。この研究は、公開データに存在する不確実性を考慮してSFAを実施するための重要な知識を提供します。

雑誌名

Resources Policy

論文タイトル

Methodological study of evaluating the traceability of neodymium based on the global substance flow analysis and Monte Carlo simulation

著者

Shinichirou Morimoto, Kenzo Sanematsu, Kimihiro Ozaki, Akito Ozawa, Yuna Seo

DOI

10.1016/j.resourpol.2019.101448

引用

Morimoto, Shinichirou, Kenzo Sanematsu, Kimihiro Ozaki, Akito Ozawa, and Yuna Seo. “Methodological study of evaluating the traceability of neodymium based on the global substance flow analysis and Monte Carlo simulation.” Resources Policy 63 (2019): 101448.

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