概要
海洋には、細菌より多くのサブミクロン粒子が存在し、それらの代謝・循環は地球規模の炭素循環において非常に重要です。本研究では、サブミクロン粒子の効率的な分解は、粒子が水相に懸濁したままではなく、細菌細胞の表面に保持されている場合、すなわち微粒子捕獲に達成できるのではと仮説を立てました。本仮説を検証するために、2つのアプローチを採用しました。まず、磁気粒子を海水サンプルに添加して、微粒子捕獲機能を備えた細菌群を分離しました。その後、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)および多次元尺度構成法(MDS)による分離された細菌のコミュニティ構造分析と組み合わせて実行されました。この新しいアプローチによって回収された(微粒子捕獲)細菌群は、海水サンプルの代表的な細菌群または大きな粒子に関連する細菌群とは異なっていました。第二に、原子間力顕微鏡を使用して、自然の細菌集団内のサブミクロン粒子を直接観察した結果、サブミクロン粒子を保持する細胞の数は、東京湾の内部と外洋の深さ500〜2000mで多いことが分かりました。
雑誌名
Aquatic Microbial Ecology
論文タイトル
Particle capture by marine bacteria
著者
Yuna Seo, Eiko Ikemoto, Akihiro Yoshida, Kazuhiro Kogure
DOI
引用
Seo, Yuna, Eiko Ikemoto, Akihiro Yoshida, and Kazuhiro Kogure. “Particle capture by marine bacteria.” Aquatic microbial ecology 49, no. 3 (2007): 243-253.